猫のおやつには液体タイプのものからカリカリタイプ、フリーズドライタイプなど様々な種類があります。
猫がおやつを喜んで食べている姿を見ることは、飼い主さんにとっても幸せを感じることかと思います。
人間と同じように主食から栄養を摂ることは大切ですが、ご褒美やしつけ、コミニュケーションの一環として、効果的におやつをあげられると良いですよね。
猫のおやつについて
おやつは、猫にとって必ずしも必要というわけではありません。
区分としては「間食」に当たるもので、食べなくても健康に影響が出るわけではありません。
おやつ無しで済むならそれも良いでしょう。
では、なぜ猫用のおやつが存在するのでしょうか。
猫用のおやつがたくさん販売されているということは、それには理由があるはずです。
おやつを与える理由や種類、あげる際の注意点など、猫用のおやつについて説明しています。
そもそも猫におやつって必要?
猫に必要な栄養は、総合栄養食のフードを適切に与えていれば摂取できるため、猫のおやつは栄養の面で絶対に必要なものではありません。
おやつは、あくまでも間食として、栄養補助の一環として考えるのが良いでしょう。
嗜好性の高いおやつは猫へのご褒美として与えることができますし、飼い主さんとのコミュニケーションツールにもなります。
また、美味しく食べられるだけでなく、「歯磨き効果」や「毛玉ケア効果」があるものなどもあります。
愛猫に合わせてうまく与えれば、おやつは有効な使い方もできます。
おやつは無添加で安心・安全なものを
合成保存料や着色料、香料などの人工添加物は、品質の変化や腐敗を防ぐために猫のおやつに使用されていることも多くあります。
しかし、これらの添加物は猫の体にとって危険性があるものもあるため、なるべく添加物を使用していない商品を選びたいところではあります。
安全性が高いおやつを与えたいときは、無添加タイプのものを選ぶと良いでしょう。
無添加のおやつは使い切りのタイプなら良いですが、そうでないおやつは痛むのが早いので注意が必要です。
どうしても添加物入りの商品を選ぶ場合は、人工的なものでなく天然由来の保存料などを使用している商品を選ぶようにしましょう。
猫のおやつの種類
猫をトリコにする禁断の液状タイプ
パウチに入っていてお皿に出してあげるものや、スティック状の袋から直接舐めて食べるタイプのものなどがあります。
中身はクリームのような液状で、水分が多く含まれているのが最大の特徴です。
水分が多いので、水をあまり飲まない猫の水分補給にもなります。
このタイプのおやつは、腐敗を遅らせるための保存料や着色料が含まれているものが多いため、表示をしっかり確認するようにしましょう。
また歯に付きやすいタイプでもありますので、こまめなお手入れが必要になる場合もあります。
最近は「ちゅ~る」というチューブタイプの商品が注目を集めていますね。
手で持って少しずつ出して与える商品なので、コミュニケーションにも繋げられそうです。
王道のカリカリタイプ
スナックやクッキー、ビスケットなどのカリカリタイプは、主食のキャットフードによく似た、または同じタイプのおやつです。
お菓子のクッキーやビスケットのようなものであったり、カリカリの中にチーズが入っていたりします。
猫が食べやすいように一口サイズなので、しつけのときやご褒美をあげるときにおすすめです。
袋が小分けになっている商品も多く、一度にたくさんあげすぎる心配もなく、少量をあげられるようになっています。
また小分けの袋であれば保存がしやすいという特徴もあります。
少量であれば手から直接与えやすいので、お皿が不用なのも良いですね。
猫まっしぐらジャーキータイプ
肉を干して作られた保存食で、牛肉や魚肉、ささみなど様々な肉の種類があります。
ジャーキータイプは噛みごたえもバツグンで、普段のフードとは食感が違うのでおやつとして猫が喜びそうなタイプです。
フリーズドライタイプと同じで、長期保存できるというメリットを持っています。
ただし、選ぶ際には添加物や塩分の量に注意してください。
またお肉ではありませんが、野菜を乾燥させて作った野菜スティックのおやつもあります。
野菜スティックのジャーキーは、主にサツマイモやニンジンなどで作られています。
本物タイプ
煮干しやけずり節、かにかま、鶏ささみ、チーズなどの、人間でも食べられるような感じの猫用食品です。
カリカリタイプとは異なり、素材の雰囲気や食感が本物に近いため、一度気に入れば喜んで食べてくれるようになります。
また通常のフードとは違って味に変化があるので、猫の食いつきが良い傾向も見られます。
ただし、食べ過ぎや栄養の偏りには注意してあげたいところです。
添加物や着色料などの添加物が使用されていないものを選ぶようにしましょう。
フリーズドライタイプ
鶏ささみやチーズ、サーモンなどで作られている、フリーズドライタイプのおやつもあります。
素材を乾燥させて作っていますが、通常の乾燥方法とは異なり、凍結乾燥という特別な方法で作られています。
凍結乾燥とは、凍結させた食品を真空状態にし、水分を蒸発させて乾燥させる方法のことです。
余分な保存料などを使用せず、生の肉と同じようにビタミンやミネラルなどの栄養素を失うことなく摂れる製法です。
猫用ミルク
苦手な猫のために作られているので、飲んでもお腹を壊す心配がありません。
猫用ミルクの多くは、ヤギのお乳から作られています。
乳糖を分解する能力が低い猫は人間用の牛乳を与えるとお腹を壊すことがありますが、猫用のミルクは乳糖を含まないため、猫の消化器官にも負担をかけません。
そのまま飲ませられる液体タイプのものや、水に溶かして与える粉状タイプのものがあります。
水を飲んでくれなくても、ミルクなら飲んでくれる場合におすすめです。
機能性おやつ
猫のおやつは、ただ美味しく食べるためのものだけではありません。
歯磨き・オーラルケア効果や毛玉ケア効果、乳酸菌を含んでいるなど、機能性に優れたおやつも存在します。
美味しく食べながら様々な効果を得ることができる機能性おやつは、まさに一石二鳥です。
例えば、歯磨きを嫌がる猫の場合には、食べるだけで歯磨き効果のあるおやつを活用するのも良いでしょう。
おすすめの猫のおやつ
猫おやつの種類について説明しましたが、ここではそれぞれの種類の中からキャットフードナビ編集部おすすめのものをいくつか紹介します。
愛猫のおやつを選ぶ際の参考にしていただければと思います。
ねこぴゅーれ
ねこぴゅーれは日本産、無添加にこだわって作られた液状タイプのおやつです。
保存料、着色料、甘味料、調味料が不使用というだけでなく、猫が消化を苦手としているグルテンも使用されていません。
グルテンは猫のセリアック病の原因となる場合もあります。
セリアック病とは、消化できないグルテンなどの成分が腸のバリア機能を弱めてしまい、毒性のある物質を吸収することで様々な不調が起きる病気です。
ねこぴゅーれは愛猫とのコミュニケーションとして、そのまま飼い主さんの手から与えたり、いつものキャットフードへのトッピングとして利用することもできます。
鶏ささみ、かつお、まぐろの、猫が大好きな3種類のフレーバーが用意されています。
国産ぽんせん
犬と猫のどちらにも与えられる、ペット用の駄菓子のぽんせんです。
最高級米である魚沼産コシヒカリをノンオイルで香ばしく焼き上げたパリパリとした食感は、ごほうびにもぴったりです。
割ったりしてそのまま与える以外にも、ごはんのトッピングや、お湯でふやかしておかゆ風にすることもできます。
素材の風味を生かし余計な味付けをしていないだけでなく、ノンオイル、無添加にこだわったヘルシーで安全なおやつです。
国産ハーブで育った鶏ささみのジャーキー
ハーブを加え、植物性原料の多い飼料で育った九州産の鶏を使用したささみジャーキーです。
低カロリー、低脂肪の鶏ささみジャーキーは猫のおやつとしてもぴったりで、たくさん噛めるので満足感も得られます。
着色料や保存料は使用せず調味料による味付けもしていない無添加のジャーキーは、小分けに真空パックし、チャック付きの袋に入れられ開封までの鮮度が保たれています。
ぱっくん亭国産大き目煮干し
カルシウム、鉄分、ビタミンD、DHAなどを豊富に含んだ新鮮ないわしを使用した大き目の煮干しです。
塩分などの調味料や添加物は一切使用されておらず、いわしのみが原材料です。
ママクックフリーズドライのササミ
厳選された国産の鶏ササミ肉を丸ごと使用し、独自のフリーズドライによって栄養や旨みを閉じ込めた猫用おやつです。
原材料は鶏ササミのみ。
保存料などは使用されていないので安心して与えることができます。
ヘルシーなササミ肉は猫のおやつとしてもぴったりです。
ペッツルート無添加やぎミルク
無農薬で飼育され、オランダの厳格な認証機関であるSKALからオーガニック認証を受けたヤギから採れる山羊乳を使用した犬と猫用のミルクです。
高タンパク低脂肪、栄養豊富なヤギのミルクは猫用ミルクとしてもぴったりです。
また消化性に優れアレルギーの原因にもなりにくいという特徴もあります。
お湯に溶かしてミルクとして与える以外にも、フードにふりかけたり混ぜても美味しい粉ミルクです。
キャティーマン無添加良品猫にまたたびお腹の中の毛玉ケア
猫の大好きなまたたびに食物繊維を加えたおやつです。
食物繊維はグルーミング(毛づくろい)で飲み込んだ消化器官内の被毛を絡め取り、便として排出させる効果があります。
保存料や着色料を使用しない無添加のおやつで、そのまま与える以外にもごはんに混ぜたりふりかけて与えることができます。
おやつのあげ方
猫のおやつの種類を紹介しましたが、これらのおやつが果たす役割とは何なのでしょうか。
おやつが果たす役割やあげ方、あげるタイミング、注意点をそれぞれ説明しています。
おやつが果たす役割
おやつの役割として、主に以下のようなものが挙げられます。
- ご褒美として
- 飼い主さんと猫のコミュニケーションひとつ
- 食欲促進や特定の部位や症状のケアのため
おやつは間食として、あるいは猫が欲しがるからなどの理由で当然のように与えているかもしれません。
しかし猫のおやつには様々な種類があり、また大切な役割を持っているものもあります。
主食のフードだけでなく、メリハリをつけておやつを上手く活用できるようにしましょう。
そのために大事なのが、「あげ方」や「あげるタイミング」です。
おやつのあげ方は手渡しで
猫におやつをあげる際の方法ですが、飼い主さんが直接手渡しであげるようにするのが良いでしょう。
手渡しであげられるおやつは、飼い主さんと猫のコミュニケーションになります。
こうして積極的に飼い主さんと猫の触れ合いの時間を取ることも大切です。
特に多頭飼いしている場合は、手渡しせず一気にあげると他の猫に負けて食べられないまま終わってしまう猫もいると思います。
飼い主さんが1匹ずつ手渡しでおやつをあげれば、触れ合いの時間になり、また猫からの信頼も得られるでしょう。
おやつをあげるタイミング
最も猫が欲している絶妙なタイミングを狙おう
猫が最もおやつを欲しがっているときに与えることで、猫の満足度が上がります。
ご褒美欲しさに言うことを聞いたタイミング、明らかにおやつを食べたそうにしているタイミングを逃さずに与えましょう。
猫は、飽きやすく気まぐれな動物です。
欲しがってるタイミングを逃して待ちぼうけにさせてしまうと、せっかくのコミュニケーションの場が持てなくなります。
猫の大好きなおやつをあげるのは、信頼関係を築くチャンスにもなります。
自分の好きなものをくれる飼い主さんにもっと懐いてくれるようになるかもしれません。
しつけやご褒美として
トイレの仕方を覚えた場合や、噛み癖などをしつけた際に、ご褒美としておやつをあげましょう。
このタイミングでおやつをあげることによって、飼い主さんの言うことを聞けば大好きなおやつがもらえると思って、次からもしっかり言うことを聞いてくれるようになるかもしれません。
コミュニケーションとして
猫と触れ合いたいときに、おやつを与えるのもおすすめです。
日頃のコミュニケーションとしても良いですが、猫ちゃんの誕生日など、お祝いやイベントのときに大好きなおやつをあげるのも良いですね。
食欲がないときや薬を飲ませるとき
食欲がないときや、薬を飲ませるときにもおやつを有効に使うことができます。
食欲がなくフードを食べないときでも、おやつであれば食べてくれるかもしれません。
フードから栄養を摂れないときは、おやつを食べさせて少しでも栄養を補いましょう。
また、薬を飲ませたい場合も、おやつは役に立ちます。
薬の苦手な猫ちゃんに薬を飲ませることに苦労している飼い主さんも多いのではないでしょうか。
飼い主さんと猫ちゃんの負担を減らすためにも、おやつに薬を包んであげるのも良いあげ方です。
おやつをあげるときの注意点
おやつを与える際に注意しなければいけないポイントも見ていきましょう。
もらえて当たり前にさせない
おやつはあくまでも「間食」であり、毎日あげるものではありません。
毎日のように当たり前に与えていると、猫にとってもらえて当たり前のものになり、何もないときでもねだってくるようになります。
当たり前に食べられるものではなく、「特別な時にだけ食べられるもの」という認識をつけてあげることは大切です。
そのためにも、ご褒美のような感覚で与えることで、おやつを上手に活用しましょう。
あげ過ぎは肥満の原因に
おやつを毎日のように与えていると、もらえて当たり前になるだけではありません。
肥満の原因にも繋がってしまいます。
間食が増えればどんどん太っていくのは人間も猫も同じです。
猫の健康を考えれば、肥満になって良いことはありません。
あげる量や回数には注意し、控えめに抑えるのが良いでしょう。
人間の食べ物はNG
おやつはご褒美だからといって、人間が食べているものを与えてはいけません。
人間用に作られているものは、人間に合った量の塩分や糖分を含んでいます。
そのため、人間用のおやつを猫に与えると塩分も糖分も過剰摂取になってしまうのです。
また一度人間のおやつを美味しいと思ってしまえば、人間のおやつばかりねだってくるようになるかもしれません。
猫用のおやつやフードに戻れなくなる恐れがあるので、十分に注意しましょう。
危険な添加物や粗悪なおやつにも注意
猫のおやつ選びですが、添加物や粗悪な原材料など注意するべきポイントがあります。
添加物には、非常にたくさんの種類があります。
猫の体に悪影響を及ぼす恐れのある添加物も少なくありません。
プロピレングリコールや亜硝酸ナトリウム、エトキシキン、BHA、BHT、グリシリジン、アンモニエート、赤色102号などが危険な添加物とされていますので、これらが含まれていないものを選びましょう。
またチキンミールやミートミールといった、「〇〇ミール」などと書かれている原材料はなるべく避けるのが賢明です。
これは肉を粉末状にして混ぜ合わせていることを指します。
質の良い肉を混ぜているなら問題はないのですが、コスト削減のためにくず肉など粗悪なものを混ぜている業者もいます。
人間用の食事に使用できないような質の低いものを、猫用おやつに使用している可能性もあるのです。
ただし、「肉副産物不使用」などとメーカーが公表している場合は、食用に適さないくず肉などは使用されていないということなので安全性に関しては問題ないでしょう。