キャットフードの選び方 成長段階で選ぶ

シニア・高齢猫のキャットフード

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シニア・高齢猫のキャットフード

飼い猫として暮らす猫の寿命は大きく伸びています。

室内飼いの猫の平均寿命は15年とも言われていますが、20年以上生きる猫も珍しくありません。

このような猫の長寿化にともない、愛猫がいつまでも健やかに過ごすためには年齢に応じてキャットフードを考える直す必要があるかもしれません。

猫はいつからがシニア期

猫はいつからがシニア期

猫は一般的に7歳からシニア期と呼ばれます。

シニア猫、高齢猫などと呼び方は様々ですが、人間に換算すると45歳にあたる年齢とされます。

猫も人間と同じで老化に伴い体に変化が起こります。

もちろん猫によっても差があるため、7歳になっても変わらずに元気な猫もいます。

しかし多くの猫に老化の兆候が見られ、寝ている時間が増えたり、大人しくなったりしていきます。

10歳になる頃には、十分シニア猫といえると思います。

急激な変化があるわけではありませんが、体の老化は徐々に進行している年齢です。

シニア猫のキャットフードの選び方

シニア猫のキャットフードの選び方

シニア猫用のキャットフードには様々なものがあります。

多くのメーカーからシニア猫用のフードは販売されていますが、どれを選べば良いのでしょうか?

シニア猫用のキャットフードを選ぶときのポイントとその理由について理解しておくことで、愛猫にとって良いキャットフードを選ぶことができます。

ここでは、シニア猫のキャットフードの選び方について詳しく説明していきます。

良質なタンパク質を適度に含む

猫の体の構成にはタンパク質が必要です。

これはどの時期の猫にも言えることですが、シニア猫にとってもタンパク質は重要な栄養素です。

年齢を重ねると共に猫も筋肉量や骨密度が減ってしまいます。

そのためにも良質なタンパク質を補うことが重要なのです。

ただ、タンパク質を摂取すればいいというわけではなく、良質なタンパク質であることも重要です。

ドライフードを与えている場合には、30%以上タンパク質が含まれているものが望ましいでしょう。

主原料はなるべく新鮮で良質な鶏肉や魚などであるフードであればなお良いでしょう。

このように、高齢猫に与えるキャとフードであっても、高品質なタンパク質を含むものを選ぶようにしましょう。

カロリーは控えめに

シニア猫は運動量が少なくなるため、カロリーを抑えたフードを選ぶようにしましょう。

運動量が少なくなることで、消費するカロリーも少なくなります。

成猫のときと同じようにカロリーを摂取してしまうと肥満の原因に。

シニア期の猫は、運動量や体重に合わせたカロリーを摂取することが大切です。

よく食べるからと言ってたくさん与えてしまうのはよくありません。

肥満や病気を防ぐためにも、カロリーは控えめを心がけましょう。

危険性のある添加物に注意

化学的な添加物の含まれているフードは極力与えないようにしましょう。

猫も高齢になると免疫力が低下してしまいます。

添加物の中には猫にとって有害なものもあります。

特に、化学的な保存料や酸化防止剤が含まれているキャットフードには注意が必要です。

添加物はキャットフードの嗜好性や保存性を高めるために含まれていますが、これらの添加物の中には発がんなどの危険性が指摘されているものもあります。

また、添加物だけではなく、過剰な穀類にも注意が必要でしょう。

猫は穀類を食べることはできますが消化があまり得意ではありません。

特に消化能力の低下したシニア猫にとって、過剰な穀類の摂取は負担となりかねません。

安価なフードにはよく見られますが、かさまし目的で穀類が使用されているような商品は避けるべきでしょう。

原材料表記の先頭が肉や魚のキャットフードを選べば、穀類が過剰に含まれるフードは避けることができます。

リンやナトリウム(塩分)の少ないものを

シニア猫になると、老化が原因となり病気になる恐れがあります。

シニア猫は、老化とともに内臓が弱ってしまいます。

そのため、腎臓に負担をかけないようにキャットフードを選ぶ必要があります。

リンやナトリウムは腎臓で分解されますが、その量が多いほど腎臓にとっては負担となってしまいます。

シニア猫の腎臓をいたわるためには、リンやナトリウムの含有量が少ないキャットフードを選ぶようにしましょう。

シニア猫用として販売されているキャットフードはリンやナトリウムの含有量が少なくなっています。

フードを購入する前に成分などを確認すると良いでしょう。

消化に優れるフードを選ぶ

高齢の猫は体の消化器官も年齢と共に衰えてしまいます。

カロリーの高い食事は消化器官の負担となってしまいます。

消化器官の負担を軽減するためにも、カロリーを抑えたフードを選ぶのが良いでしょう。

また、穀類が過剰に含まれていないことも消化に優れるフードの要件です。

猫はもともと穀類の消化が苦手な消化器官を持った動物です。

シニア猫に与えるフードは、カロリーが控えめで過剰な穀類が含まれていないものを選ぶのが良いでしょう。

ドライフードは小粒のものなら食べやすい

ドライフードを主食として与えている場合には、小粒のものを選ぶようにしましょう。

噛む力や飲み込む力が衰え始めたシニア猫は、大粒のドライフードが食べづらいことがあります。

猫が大粒のドライフードを食べづらそうにしているのに気がついた場合、小粒のフードに切り替えられればよいのですが、すぐに用意できないことも多いでしょう。

そのような場合は、ドライフードを潰して小さくして与えるようにしましょう。

また、小さくするだけでなく、ふやかしてあげることでより食べやすくなります。

全年齢対応のフードもおすすめ

シニア猫には全年齢に対応しているフードを与えるのもおすすめです。

猫はフードを切り替えると、味や匂いの変化から食べなくなることがあります。

また、フードの変化が精神的なストレスにもなることもあります。

一方で、全年齢に対応するフードは年齢によって切り替える必要がないため、食いつきの変化やフードの切り替えによるストレスが猫にかかりません。

シニアになって肥満を気にする場合でも、食事の量を調節してあげることでシニア猫でも食べることができます。

子猫のときから食べ慣れているフードであれば、シニアになってからもストレスなく食べ続けることができるはずです。

シニア猫がフードを食べない原因と対処

シニア猫がフードを食べない原因と対処

シニア猫がフードを食べない場合は、何かしらの原因があります。

本来食べるべき量のフードを食べないと、元気がなくなったり、免疫力の低下や栄養不足の原因なります。

シニア猫がフードを食べないときには何が原因となっているのでしょうか?

ここではその原因と対処法について説明しています。

シニア猫がフードを食べない原因

基礎代謝の低下による食欲の低下

人間と同じように、猫も加齢により基礎代謝が低下していきます。

それに伴い、必要となるエネルギーの量も低下します。

結果として、食事の量が減ったり食欲の低下が見られます。

最初は飼い主さんも心配すると思いますが、これは自然なことです。

あまりにも食べない、1日何も口にしないという場合には注意が必要ですが、成猫のときと比較して食べなくなった場合には、そこまで心配する必要はありません。

1日の運動量に対してどのくらい食べているのかをしっかりと理解して、食事を管理してあげましょう。

歯周病などの口腔疾患

免疫力の低下した高齢の猫は、歯周病などの口腔疾患が起きることが多くなります。

歯周病は、歯の表面などに細菌が毒素を生成することで歯茎や骨などに炎症が起こる状態です。

主な原因には口腔内の傷や不衛生が挙げられますが、特に、口の中が不衛生な状態は細菌が繁殖しやすくなります。

これらの原因により、歯周病の主な症状である、歯茎の赤みや出血、歯のぐらつき、口臭の変化などが起きます。

歯周病の症状が出ている場合、猫は痛みなどから普段どおりにフードを食べられないことが多くあります。

猫の歯周病は日頃のオーラルケアで予防することができます。

高齢の猫は柔らかいものを食べることが多くなりますが、柔らかい食事は口の中に食べかすが残りやすく、歯周病の原因にもなります。

愛猫の歯は、飼い主さんがしっかりと清潔に保ってあげましょう。

噛む力の低下

シニア猫は噛む力や飲み込む力が弱まっています。

特にドライフードを与えている場合、粒が大きく噛み砕くことができない、飲み込めないなどが原因でフードを食べないこともあります。

今までは普通にフードを食べていた猫がある日か突然食べられなくなってしまうこともあります。

粒を小さく砕いて与える、温めたりふやかして与える、ウェットフードにするなどの方法で改善できる場合もあります。

好みの変化

猫も高齢になると食べ物の好みが変化することがあり、好んで食べていたフードを突然食べなくなることがあります。

匂いや味、食感などの好みが変化すると言われていますが、これは不思議なことではありません。

人間は年齢によって食の好みが変わってくるように、猫も好みが変化したということです。

好みの変化とは多少異なりますが、病気などが原因で嗅覚が鈍くなり食べ物を理解できなくなることもあります。

また、成猫用のフードからシニア猫用のフードに切り替えた場合、切り替えたフードが合わなかったという場合もあります。

いずれの場合も、フードを変えてみる、ウェットフードと混ぜてみるなどの工夫をしてみましょう。

フードを食べさせる工夫

温めてあたえる

シニア猫がフードを食べないとき、温めることで香りが増し、食欲を刺激し食いつきが良くなる場合があります。

電子レンジなどを使用して、フードを37℃から38℃の人肌程度に温めてあげましょう。

猫は食べ物にこだわりを持っていることが多いと言われています

冷たい食べ物よりも温かい食べ物の方が美味しく感じるというのは、猫も人間と同じなのかもしれません。

特に冬などの寒い時期にはフードを温めてあげる効果が高いようです。

ただし、猫舌という言葉もあるように猫は熱い食べ物が苦手なので、温めすぎには注意しましょう。

ふやかして与える

ドライフードはふやかしてあげると、噛む力や飲み込む力が弱くなったシニア猫にも食べやすくなります。

ぬるま湯や煮汁などでふやかしてあげるのが良いでしょう。

ふやかすときには、フードを器に入れ10分ほど浸しておきましょう。

このとき、器の半分くらいまでぬるま湯や煮汁を入れておくのが良いとされます。

猫によって好みの硬さ、柔らかさは違うので、愛猫の好みは把握しておきましょう。

一度に大量にふやかしたフードを作ってしまうと、もし猫が食べなかった場合に保存がききません。

1回で食べる量だけををふやかしてあげるようにしましょう。

食べやすい環境を整える

シニア猫でも食べやすい環境を作ってあげることも重要です。

シニア猫は筋力が落ちているため、食事をするために立ち上がったり、無理な体勢で食べることは負担になってしまいます。

猫の体に合わせて食べやすいように調節してあげることが必要となります。

器の高さや大きさを調節するなどの工夫をしてみてください。

嗜好性の高いウェットフードやおやつを取り入れてみる

ウェットフードやおやつは、ドライフードに比べて嗜好性に優れる傾向があります。

また、ウェットフードはドライフードよりも消化に優れるという特徴もあります。

シニア猫がフードを食べない場合には、ウェットフードやおやつをドライフードに混ぜて活用してみるのも良いでしょう。

このとき注意したいのは、ウェットフードやおやつを混ぜてカロリーオーバーにならないようにすることです。

まとめ

体の様々な機能が衰えるシニア猫には、適切なキャットフードを選ぶことが重要です。

基本的には他のライフステージと同様に、有害な添加物を避け十分な栄養を摂取できるようにしますが、腎機能の低下からリンやナトリウムの量にも注意しなければならないなど、シニア猫特有の体の事情も理解しておきましょう。

シニア用や全年齢対応の総合栄養食を与えていれば間違いはありませんが、不安な場合や少しでも異常が見られる場合は獣医師の指示を求めましょう。

また、シニア猫がキャットフードを食べない場合は原因に応じた工夫をすれば食べてくれることも多くあります。

高齢特有の病気や症状を防ぐためにも、日々与えるフード選びは重要です。

シニア猫の体の変化をしっかりと理解し、愛猫が長く健康でいられるようフードを選びましょう。

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