キャットフードの基礎知識

キャットフードのローテーションの方法と注意点

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キャットフードのローテーションの方法と注意点

仮に朝昼晩、毎日3食同じメニューを食べるように言われれば、多くの方は数日で飽きてしまうのではないかと思います。

そこで気になるのが、「毎日同じキャットフードに猫は飽きないのだろうか?」ということではないでしょうか。

「毎日違うキャットフードをローテーションであげたほうがいいのかな」と思われる方もいると思います。

結論から言うと、キャットフードをローテーションで変えていく必要はありません。

猫は味覚が特別優れているわけではなく、味を重視しないことがほとんどです(個体差はあります)。

総合栄養食であれば、健康を維持するための栄養バランスが緻密に計算されて作られているので、栄養の偏りを心配する必要もありません。

しかし、それでも他のキャットフードも食べさせてあげたい場合、あるいは猫があまり食事を取らなくなった場合は、キャットフードをローテーションで変えてあげてもいいでしょう。

ここでは、キャットフードのローテーションについてまとめています。

キャットフードのローテーションとは

キャットフードのローテーションの方法と注意点

そもそも、「キャットフードのローテーション」とは何なのかについて説明します。

飼い主さんによってご飯のあげ方は異なるのではないかと思いますが、基本的に1種類のキャットフードを毎日朝昼晩にあげる方が多いのではないでしょうか。

しかし、毎日同じものをあげるのではなく、定期的に複数の種類のキャットフードを順々にあげることも可能です。

これを「キャットフードのローテーション」といいます。

ローテーションの必要性を考える

すでに説明したとおり、基本的には猫にあげるキャットフードをローテーションする必要はありません。

私たち人間の場合は、同じものを繰り返し食べていると味に飽きてしまいます。

また、同じメニューばかり食べることで摂取できる栄養素が偏り、健康状態を損ねる可能性があります。

それに比べて、猫は味に飽きない子もたくさんいます。

キャットフードについても、健康を維持するための栄養バランスを計算して作られているため、むしろ同じものを繰り返し食べさせることをおすすめします。

では、キャットフードをローテーションすることに何のメリットがあるのでしょうか。

デメリットとあわせて紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

ローテーションのメリット

異なる複数種のキャットフードをローテーションで与えることに、必要性はまったくありません。

しかし、ローテーションしてあげることにメリットはあります。

「する必要性がない=してはいけない行為」というわけではないのです。

では、具体的にどのようなメリットがあるのかについて見ていきたいと思います。

ここでは、「アレルギー予防ができる」「キャットフードの切り替えがスムーズにできる」というメリットを紹介します。

アレルギーの予防・アレルゲンの特定

複数の種類のキャットフードをローテーションであげるメリットとして、アレルギー予防に役立つ点が挙げられます。

すべての猫に当てはまるわけではありませんが、毎日同じキャットフードを食べ続けていると、突如アレルギー反応が生じることがあります。

これは、特定の成分が蓄積してしまうことで起こります。

その点、ふだんから異なる成分を含むキャットフードをローテーションで与えていれば、特定の成分が体内に蓄積する心配はありません。

また、ローテーションをしている期間中にアレルギー反応が現れた場合は、ローテーションしている各キャットフードの原材料を見比べることでアレルゲン(アレルギーの原因物質)を特定することもできます。

他のフードへの切り替えがスムーズ

キャットフードをローテーションすることのメリットとして、いざというときにスムーズに切り替えやすくなる点が挙げられます。

基本的に1種類のキャットフードをあげるのがベストとされていますが、場合にとっては別の商品に切り替えなければいけなくなることがあります。

たとえば、どんな猫にも当てはまるものですが、加齢にともなって必要な栄養素が変わります。

猫も人間と同じように、歳を重ねるごとに体の器官やその機能が衰えていきます。そんな中でも長く生きてもらうためには、年齢に合わせた栄養素を含んでいるキャットフードを適宜あげる必要があります。

しかし、急にこれまでと違うキャットフードをあげても、警戒したり好き嫌いを示したりして食べないケースが多々あります。

これについては、ローテーションが役立ちます。

前々からキャットフードをローテーションであげていれば、必要に応じてキャットフードを切り替えなければいけなくなっても、抵抗を感じることなくスムーズに食べてもらいやすくなります。

ローテーションのデメリット

キャットフードをローテーションすることのメリットを紹介しましたが、逆にデメリットとしてどのような点が挙げられるのでしょうか。

キャットフードは完全栄養食として開発された食品です。

いずれの商品も、それひとつで健康を維持するために必要な栄養素がすべてバランスよく配合されています。

本来は、特定のキャットフードを長期にわたってあげ続けることを想定して作られているものです。

そのため、異なる種類のキャットフードをローテーションであげていると、それぞれ含まれている栄養素が違うことからさまざまな弊害が生じるおそれがあります。

猫の体に負担がかかる

キャットフードのローテーションをするデメリットであり、また頻繁にキャットフードを切り替えてはいけないとされる第一の理由が、「猫の体に負担がかかるおそれがあるため」です。

すべての猫に必ずしも共通しているわけではありませんが、摂取する栄養素が頻繁に変わることで胃腸症状を引き起こすことがあります。

これは、目まぐるしく変わる成分によって消化器官にかかる負担が大きくなり、キャットフードをうまく消化・吸収できなくなるためです。

その結果、下痢や軟便、嘔吐、さらにひどい場合は脱水症状を引き起こす危険があります。

負担を少しでも減らすためには、従来のキャットフードと新しいキャットフードの割合を徐々に増減しつつ、ゆっくり変えていくことが大切です。

食べてくれない

これまでと違うキャットフードを与えるということは、その味や匂いもガラリと変わることになります。

特に嗅覚が発達している猫からすると、これまで食べていたキャットフードと新しく出されたキャットフードの匂いの違いはすぐに判別できるでしょう。

そして、その匂いが自分好みのものでなければ、場合によっては一口も食べることなくそっぽを向いてしまう可能性もあります。

かといって無理に食べさせるわけにもいかず、最終的にほとんど食べてもらえないまま捨てるハメになるかもしれません。

そうなれば、どれだけ安いキャットフードを購入したとしても、もったいない結果に終わってしまうことでしょう。

このように、新しいキャットフードを食べてくれないことがあるのも、ローテーションによるデメリットのひとつです

どうしても口にしてもらえない場合は、ウェットフードを加えて味や匂いに変化をつける、温めてさらに匂いを引き立たせるといった工夫をしてみましょう。

フードの良さを活かし切れない

これまでに何回も説明していますが、すべてのキャットフードはそれひとつで完璧な栄養バランスを摂取できるように作られています。

そのため、複数のキャットフードをローテーションであげていると、メーカーが意図する栄養バランスに達しないまま、中途半端な状態で別の商品に切り替えることになるかもしれません。

その結果、健康の管理や維持がうまくできず、体に不調が生じるおそれがあります。

切り替えるタイミングが早ければ早いほど、そのキャットフードが持つ本来の効果は薄れてしまいます。

一見すると喜んで食べてくれているように見えても、健康管理をするという目的は果たせていない可能性があります。

キャットフードは、ただ単純に猫の空腹を満たすためだけのものではないことを忘れないようにしましょう。

ローテーションの方法

「いろんなキャットフードを食べさせてあげたい」という思いから、急にキャットフードをローテーションするのはおすすめしません。

猫の体に負担がかかってしまうおそれがあるほか、味や匂いの急な変化に警戒して食べてもらえない可能性もあります。

このようなことにならないためには、数日間かけてゆっくり切り替えていくことが大切です。

というわけで、キャットフードを正しくローテーションする方法を詳しく見ていきましょう。

フードの切り替え方

急にこれまであげていたキャットフードを取り上げ、完全に新しいキャットフードのみであげてしまうと、猫によっては食いつきが悪くなります。

また、消化器官に大きな負担がかかったり下痢、軟便といった胃腸症状が現れたりするおそれもあります。

このようなリスクを避けたうえで正しく健康的にキャットフードを食べてもらうためには、従来のキャットフードと新しいキャットフードの与える割合を徐々に変えていくことが重要です。

こうすることにより、キャットフードが急に切り替わったことへのストレスを感じにくくなり、体にかかる負担も大幅に軽減されます。

万が一にも切り替えている途中で何かしらの胃腸症状が現れたり、食いつきが悪くなったりした場合は、一旦従来のキャットフードの分量を多めに戻してあげるといいでしょう。

愛猫の様子を伺いつつ、焦らずゆっくり切り替えてあげるようにしましょう。

10日間ほどかけて徐々に慣らしていく

キャットフードを切り替えるときは、これまでに与えていたキャットフードの分量を徐々に減らし、その代わりに新しいものの分量を徐々に増やしていきましょう。

また、10日間ほどかけてキャットフードの内訳を調節していくことが望ましいとされています。

具体的には以下の通りです。

1日目…従来のキャットフード90%:新しいキャットフード10%
2日目…80%:20%
3日目…70%:30%
4日目…60%:40%
5日目…50%:50%
6日目…40%:60%
7日目…30%:70%
8日目…20%:80%
9日目…10%:90%
10日目…0%:100%

いきなりすべてを新しいキャットフードに切り替える場合に比べて、こちらのほうが猫の体に負担がかかりにくくなります。

また、新しいキャットフードの味や匂いに徐々に慣らしていくことで、「まったく食べてくれない」という事態が起こりにくくなります。

とはいえ、上記の表はあくまでも目安です。

「食いつきが悪い」「切り替えている途中で胃腸症状を引き起こした」といった場合は、一時的に従来のキャットフードの分量を再度増やしてみましょう。

ローテーションの期間や頻度

いくつかの種類のキャットフードをローテーションする場合は、一定の期間を空けて行うようにしましょう。

日単位でキャットフードを立て続けに変えると、原材料や栄養素の急な変化に対応できず、猫がお腹をこわしてしまうおそれがあります。

その結果、下痢や軟便の頻度が増える、頻繁に吐き戻す、といった症状が現れるリスクが高まります。

では、猫の健康状態を損ねることなくローテーションするには、どれくらいのスパンで切り替えていくのがベストなのでしょうか。

2~3種類を2~3ヶ月で切り替え

キャットフードを切り替える頻度としては、「2~3ヶ月に1回」というのが最も望ましいといわれています。

猫の血液がすべて新しく入れ替わるまでに、だいたい3ヶ月かかるといわれています。

そのため、毛玉の減少や下部尿路の健康維持など、キャットフードによるケア効果が現れ始めるまで、少なくとも約3ヶ月は様子を見る必要があります。

3ヶ月経つ前に「このキャットフードは全然効果がない」と見限り、別のものに切り替えてしまうと、いつまで経ってもキャットフードの効果は発揮されません。

というわけで、別のフードに切り替えるまでに2~3ヶ月は同じものを使用するのが望ましいとされているわけです。

また、この頻度でローテーションすることによって、切り替え時にアレルギー反応のような異常が現れた場合に、その原因を特定しやすいというメリットもあります。

その一方で、いくら期間を空けたうえで徐々に切り替えていったとしても、消化器官に負担がかかることがあります。

ローテーションするキャットフードは2~3種類ほどにとどめ、なるべく猫に負担がかからないようにしてあげましょう。

季節ごとに切り替える

季節の変わり目にあわせて、キャットフードを切り替えるのもおすすめです。

年間の切り替え回数が4回で済むため、猫の体に負担がかかりにくいというメリットがあります。

また、季節に合ったキャットフードを選びやすいのもポイント。

たとえば、夏場は暑さによって食欲が低下する可能性があるため、嗜好性の高い高カロリーなものをあげるのがおすすめです。

一方、冬場は寒さで運動不足に陥りやすいため、低カロリーのものをあげるといいでしょう。

しかし、この切り替え方にはデメリットもあります。

切り替えのスパンが長く空くため、過去に好んで食べていたキャットフードでも口にしなくなることがあります。

その場合は、しばらく様子を見るか、他のキャットフードと組み合わせて食欲を高めてあげましょう。

ローテーションの注意点

愛猫に少しでも喜んでもらうために、たびたびキャットフードを切り替えてあげようと考える方は多いのではないでしょうか。

キャットフードをローテーションすること自体は悪いことではなく、場合によっては切り替えてあげなければいけないこともあります。

しかし、問題は「どのようにして切り替えるか」です。

単なる思いつきで適当に切り替えてしまうと、それが猫にとっては逆に負担になることがあります。

というわけで、キャットフードをローテーションする際の注意点をいくつかピックアップしてみました。

注意すべきポイントを押さえたうえで、正しく切り替えてあげましょう。

短期間で何種類も切り替えるのはNG

キャットフードの切り替えを行う際に、特に注意すべきなのが「短期間に何種類ものキャットフードを切り替えないこと」です。

「何日間も同じ味で飽きるのではないか?」

「いろんな味のキャットフードを食べさせてあげたい」

そんな思いから、頻繁にキャットフードを切り替える人は少なくないようです。

しかし、これは間違った切り替え方の代表例です。

いろんなキャットフードをとっかえひっかえにしていると、猫の体は原材料や栄養素の急な変化に対応できなくなります。

その結果、消化器官にかかる負担が大きくなり、消化不良や下痢、嘔吐といった症状を引き起こすリスクが高まります。

毎日別のフードを与えるのはNG

先に紹介した注意点と似ていますが、毎日のように異なる種類のキャットフードをあげるのも厳禁です。

これによって消化器官に負担がかかりやすくなるだけでなく、各キャットフードのケア効果を満足に得られなくなります。

現在は高たんぱくのキャットフードや下部尿路の健康維持に適したキャットフード、毛艶の状態を維持するためのキャットフードなど、さまざまな商品が販売されています。

いずれの商品も、猫の健康維持のために栄養素のバランスを緻密に計算したうえで作られています。

しかし、だからといってすぐに効果が現れるわけではありません。

キャットフードのケア効果が現れ始めるまでの期間は、一般的に約3ヶ月といわれています。

それ以前に切り替えてしまうと、キャットフード本来の効果が発揮されなくなります。

キャットフードを混ぜる場合の注意

飼い主さんによっては、完全に別のキャットフードと切り替えるのではなく、異なる種類のキャットフードをブレンドしてあげている方もいるのではないでしょうか。

そんな方は要注意です。

異なる種類のキャットフードを混ぜることは推奨されておらず、猫に悪影響を及ぼすおそれがあります。

すでに説明したように、キャットフードは味や栄養バランスを細かく考えたうえで作られています。

そのため、単一のものを継続的に摂取することで、はじめて適切な栄養バランスを維持することができます。

複数の異なるキャットフードをブレンドしてあげていると栄養バランスが崩れ、逆に必要な栄養素が不足するおそれがあります。

下痢・軟便が起きた

キャットフードを頻繁に切り替えていると、それが負担となって愛猫の体に悪影響を及ぼす可能性があります。

特に消化器官にかかる負担が大きくなりやすく、それによって下痢や軟便といった症状を引き起こすリスクが高まります。

また、正しく切り替えを行ったとしても、新しいキャットフードの中にアレルゲンとなる原材料が含まれていると、それが原因で下痢・軟便を引き起こすことがあります。

上記のような原因によって下痢・軟便といった症状が現れた場合は、すみやかに動物病院に連れて行き、受診することをおすすめします。

専門家である獣医師から適切な指示を仰いだうえで、その通りにケアしてあげましょう。

フードジプシーになることも

ここまでは、猫の健康状態に関係する注意点をまとめました。

しかし、このほかにも飼い主さんに関係する注意点があります。それが「フードジプシー」です。

フードジプシーとは、ペットにより良い食事を与えようと数々のペットフードを購入したものの、結局何を購入すればいいのかわからなくなってしまっている人のことをいいます。

ジプシー=放浪の民のように、ペットフード売り場をさまよってしまう人のことを指すわけです。

フードジプシーが生まれるのは、より優れた品質のペットフードを探すものの、インターネット上に流れる数多くの情報に惑わされてしまうことが原因だと考えられています。

「○○は良い」「△△はダメ」といった情報を多く見すぎているあまり、何を信じればいいのかわからなくなっているのです。

そんなフードジプシーから抜け出すためには、「すべてのペットに適したペットフードはない」ということを念頭に置くことが大切です。

そのうえで、飼っているペットに適したペットフードの条件を、落ち着いて整理してみましょう。

まとめ

いかがでしょうか。

キャットフードのローテーションについて、要点をおさらいすると以下のようになります。

①キャットフードの切り替えは頻繁に行わない
②切り替えを行うときは、約3ヶ月の間隔を空ける(季節に合わせて切り替える方法もあります)
③切り替える際は一気に新しいキャットフードを与えるのではなく、10日間ほどかけて徐々に与える分量を増やしていく
④栄養バランスの偏りを避けるため、複数のキャットフードを高頻度で切り替えたりブレンドしたりしない
⑤キャットフードの切り替えによって猫が下痢や軟便といった症状を引き起こした場合は、すみやかに獣医師に相談する

これらのポイントを踏まえたうえで、正しくキャットフードを切り替えましょう。

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