近年、「プレミアムキャットフード」という言葉をよく聞くようになりました。
名前の響きから、なんとなく「高級なんだろうなあ」というイメージが湧きますが、一般的なキャットフードと何が違うのでしょう。
プレミアムキャットフードについてまとめてみました。
そもそも、プレミアムキャットフードとは?
プレミアムキャットフードとは、どのようなキャットフードなのでしょうか。
「プレミアム」という言葉には「高級な」とか「上質な」などという意味があります。
日本におけるキャットフードと言えば、好ましくない原材料や添加物、かさましのための穀物から作られた安価なものが主流でした。
しかし近年は、ペットに対する意識の高まりや、動物愛護先進国のフード事情を受けて、人間が食べられるほどの高品質な材料を使用して作られるフードが増えてきました。
日本の愛猫家の間でも中~高価格帯の安全なフード、いわゆる「プレミアムキャットフード」が流行するようになり、猫がより健康な生活を送るために必要とされたのです。
プレミアムキャットフードの定義とは
「プレミアムキャットフード」というと、何かしらの厳しい基準をクリアしたかのようなイメージを持ちます。
まるで、キャットフード界のモンドセレクションのような…そんなイメージさえ湧いてきます。
しかし、この「プレミアムキャットフード」には、実は、明確な定義などはありません。
プレミアムキャットフードの特徴
定義など無くても、今や猫の健康に欠かせないと言われるまでになった、プレミアムキャットフード。
「プレミアムフード」と名前の付くフードは、どのような特徴を持ったフードが多くなっているのでしょう。
素材の品質や鮮度にこだわったフードが多い
プレミアムキャットフードは、素材の品質や鮮度にこだわったフードが多いという特徴があります。
特にペット先進国といえる、イギリスやドイツなどのヨーロッパ諸国では、ペットフードの品質に厳しい基準が定められています。
そのため、作られたキャットフードは、プレミアムキャットフードと呼ぶにふさわしいものが多くなっています。
日本国内で販売されているプレミアムキャットフードのほとんどがチキンやビーフ、魚など肉類をメインに使用しています。
本来肉食動物である猫にとって、良質な材料をもとに本当に必要な栄養素が詰まっているのです。
無添加のフードが多い
猫の体に悪影響を及ぼす化学添加物や、着色料を使用していないのもプレミアムキャットフードの特徴の1つです。
キャットフードの原材料に「BHA」や「BHT」と表記されているフードを与えていませんか?
これらは近年で発がん性が報告されている物質で、人間用の食べ物では使用を禁止されています。
このような危険な添加物が、人間より体の小さな猫に悪影響を与えると考えたら恐ろしいですよね。
そのため危険な添加物を使用しない「無添加」の良質なフードが作られているのです。
グレインフリーのフードが多い
特に注目されているのが「グレインフリー」ですね。
穀物は猫にとって消化しにくく、アレルギーの原因にもなりやすい食材になります。
そのため穀物を一切使用しないグレインフリーのプレミアムフードが多く販売されているのです。
安価なキャットフードの場合、原材料の1番始めに「穀物」と表記されています。
猫にとって必要なのは穀物ではなく、たんぱく質であるということを覚えておきましょう。
高品質を保つため販売はネット通販に限定されることが多い
プレミアムキャットフードの場合、販売がネット通販限定の場合が多いのも特徴として挙げられます。
ネットのみでの販売に限定することで販売量を管理し、最大限の品質のものをお届けするためです。
また店頭販売になると、卸業者を挟むので配送の日数がかかり品質の劣化が考えられるといった理由も。
海外から直輸入しているプレミアムキャットフードも多いので、ムダを省いて新鮮なものを提供するために工夫されているのです。
市販の安価なフードを与え続けても大丈夫?
プレミアムキャットフードは良い素材を使用し、猫の健康のためにもおすすめされています。
しかし良い素材を使用している分、値段が高めに設定されているものもあるので、高価だから手を出しにくいといったイメージを持っている飼い主さんもいるかもしれません。
財布のことを考えて「安いキャットフードでもいいんじゃない?」と思う飼い主さんもいるでしょう。
安価なキャットフードにも安価になっている理由があります。
市販の安価なキャットフードについてまとめます。
粗悪な原材料
市販の安価なキャットフードには、人間の食品には使用できない粗悪な原材料が含まれている場合が多くあります。
どのような原材料のことを指すのか、見ていきます。
【肉副産物・家禽ミール・ミートミール】
肉副産物・家禽ミール・ミートミールは、キャットフードのメイン原料となる肉類に含まれるものです。
キャットフードの原材料に「〇〇ミール」と表記されているのを見たことがある方も多いかと思います。
「〇〇ミール」とは、簡単に言うと乾燥肉粉のことです。
ペットフードには、ミートミールやチキンミールなどの「〇〇ミール」が使用されているものが多いです。
精肉工場から廃棄するような、人間用食品には使用できない粗悪な肉を混ぜてミンチにした「ミール」がペットフードに使用されています。
この「ミール」は、骨や爪、羽といった消化に悪いものや、もともと腐敗が進んでいるようなもので、体に取り入れるのは好ましくないのです。
これらの原材料には、食材に問題があるだけでなく強力な人口防腐剤が大量に使用されていることも考えられます。
本当に猫のためを思うなら、肉副産物や〇〇ミールのフードを購入しないことをおすすめします。
かさましで使われている大量の穀物
猫は本来肉食動物であり、穀物の消化は苦手としています。
しかし安価なキャットフードには、穀物が使用されていますよね。
これは「かさまし」のためです。
穀物から得られる食物繊維の効果を期待するなら少量で良いのです。
安価なフードには穀物が材料の3~5割ほど入っていますが、実際にはそこまで使用する必要はありません。
安価なフードに穀物が多量に含まれているのは、増量が目的でしょう。
危険性のある添加物
原材料や穀物以外だけでなく、添加物にも注意しなければいけません。
キャットフードには商品の酸化を防ぐものや、香りづけのためなどで添加物が多く使用されています。
【酸化防止剤】
キャットフードは酸化してしまうと、有害物質の発生や栄養価の低下が考えられます。
そしてそれを防ぐために使用されているのが、酸化防止剤です。
酸化防止剤には天然のものと、人口のものがありますが、発がん性やDNAなどの突然変異の危険性のある、人口酸化防止剤に特に注意が必要となります。
BHA、BHT、エトキシキン、没食子酸プロピルなど。
【香料・着色料】
キャットフードに香りづけをする際に「人工香料」や「着色料」が使用されます。
これらは食いつきを良くするために使われていますが、実際にはなくても問題ありません。
また着色料も発がん性などのリスクが考えられます。
プレミアムキャットフードの選び方
現在、プレミアムキャットフードの種類は豊富になっていますよね。
猫の好みに左右されて選びがちですが、病気になりにくい健康な体づくりのためには猫の体の特徴をしっかり理解して選ぶことが大切です。
猫の体質や体調で選ぶ
アレルギー体質
人間と同じように猫にもアレルギーがあり、皮膚や被毛、涙やけなどの症状が現れます。
アレルギーの原因は食物以外にも考えられますが、アレルゲンの特定は難しいとされています。
まずはアレルゲンになりにくい食材で作られているキャットフードで、アレルギー症状が現れるか確認するのも良いでしょう。
肥満や痩せ気味
猫も太りすぎていたり痩せすぎていたりすると、問題を引き起こす危険性が考えられます。
しかし太っているからとフードを減らしたり、痩せているからと多く食べさせたりすると、体調を崩してしまう場合があります。
肥満気味であればダイエットにおすすめのものを、痩せ気味であれば原材料にお肉がメインに使用されているものを選ぶことをおすすめします。
便秘や下痢
猫が便秘や下痢を起こすのは、生活習慣やストレスなどが原因で起こる場合が多くあります。
便秘や下痢の解消には、動物性タンパク質が豊富な肉や魚がメインに使われているものが、消化が良いのでおすすめです。
また腸内環境を整える作用のある食材を使っているのも良いですね。
腎臓や尿路のケア
腎臓は尿を作って血液中から老廃物や毒素を除去したり、体内の水分を調整するなど、健康に生きていくための重要な役割を担っています。
健康に生きていくために重要な働きをしている腎臓などの細胞は、1度破壊されれば再生しません。
日頃から健康を維持することを考えることが大切です。
ビタミンやミネラルなどを含んでいるものを選ぶと良いですね。
目やに・涙やけ
目やに・涙やけの原因は外科的なものや、遺伝的なものなど様々考えられますが、食物アレルギーも原因の1つにあります。
食物アレルギーに対する免疫反応として涙の分泌が促されて、涙の量など多くなってしまうのです。
目やにや涙やけは、現在与えているフードに原因のアレルゲンが含まれている可能性があるので、フードを変えることで症状が改善されるかもしれません。
低アレルギーのものを1度試してみるのをおすすめします。
金額と品質を比べて納得できるものを選ぶ
金額や品質を比べて、納得できるものを選びましょう。
プレミアムキャットフードはもともと高品質なものが多く、金額も商品の品質にあったものが設定されています。
しかし、いくら品質の良いものを選んでも金額の問題で与え続けられなくなっては、意味がありません。
品質と金額を比べて納得できるものを選ぶと良いです。
飼い主さんのこだわりで選ぶ
プレミアムキャットフードを選ぶ際に「飼い主さんのこだわり」も、重要なポイントになります。
原産国や原材料にこだわりたい、肉や魚メインのものを選びたい、グレインフリーのフードにこだわりたい、AAFCO認証されているものがいいなど。
ネット上にはプレミアムキャットフードについての情報がたくさんあります。
どの商品を購入すればいいのか分からなくなってしまうこともあるので、何か1つ飼い主さんのこだわりを明確にしておくと良いですね。
まずはお試し用、お試しサイズなどがあるフードがおすすめ
プレミアムキャットフードだからといって、猫が確実に食べてくれるとは限りません。
そのためプレミアムフードの購入を検討しているときは、お試しができるメーカーのもので試すのがおすすめです。
安価なキャットフードとは違い、香料などの添加物が不使用なので最初は食いつきが悪いということも考えられます。
お試しサイズなどがあるか調べてみると良いでしょう。
またプレミアムキャットフードを取り扱っているペットショップでは、無料サンプルを配布している場合もあります。
店員さんに聞いてみるのも良いかもしれません。
おすすめのプレミアムキャットフード
「プレミアムキャットフード」は猫の健康に非常に重要なご飯になります。
ここでは、プレミアムキャットフードの中でも特におすすめのものを紹介します。
ファインペッツ
ファインペッツは、人間が食べることのできる素材のみを使用して作られています。
遺伝子組み換え作物や放射性物質汚染物、残留農薬の入った素材、肉副産物、化学添加物などは一切使用していません。
メインに使用している原材料は、アヒル肉とニシン肉。
肉類だけで全体の85%を占め、タンパク質をたくさん必要とする猫にとって理想的なフードと言えます。
また消化吸収率が87%と他のフードの倍以上になっているのも特徴です。
消化吸収率が高いということは、少ない量で十分に栄養を摂取できるということになります。
ファインペッツは、初回購入1,000円(1.5㎏)となっています。
お試し価格で1袋購入することができるので、1度試してみてはどうでしょう。
ブラバンソンヌ
ブラバンソンヌはベルギー産のキャットフードで、主に香港で販売されています。
主原料の1つに「玄米」が使用されているライス系キャットフードで、日本のキャットフードに似ている部分があります。
ブラバンソンヌはベルギーのグレインフリーのフードを作ることのできる工場で製造されていますが、玄米やピートパルプを使っていることから、グレインフリーが主流という考えではないことが現れています。
しかしフルーツやハーブも多く含み、アレルゲンになりやすいタンパク質は単一のソースから配合するなど、アレルギーを最小限に抑える工夫はされています。
ヴィジョンズ
ヴィジョンズは、国内近海で捕れるアジを使用した純国産フードです。
アジにはオメガ3脂肪酸のDHAやEPAが豊富に含まれています。
製造工場が市場の向かいにあるので、捕れたてのアジが新鮮なうちに調理されているのです。
またビール酵母を加えることで10種のビタミンやミネラル、アミノ酸、食物繊維などの栄養も同時に摂れます。
人口添加物、着色料、調味料、防腐剤、酸化防止剤などの合成添加物は一切使用されていないのも、安心ですね。