猫のかかる病気で一番多いとされているのが、下部尿路疾患です。
もし、愛猫が下部尿路疾患と診断されたらどうしたら良いのでしょうか?
どのようなポイントを踏まえてキャットフードを選んだら良いのでしょうか?
ここでは、下部尿路疾患・尿路結石のケアについて詳しく説明していきます。
下部尿路疾患(F.L.U.T.D.)・尿路結石をケアするキャットフード
猫の下部尿路疾患とは
下部尿路疾患とは、尿道や膀胱などに関する疾患の総称を指します。
猫の下部尿路疾患はF.L.U.T.D.と呼ばれています。
F.L.U.T.D.の中でも、特徴的なものとして尿結石などがあります。
総称として呼ばれていますが、実際にはどのようなものがあるのでしょうか?
猫のおしっこ界隈の病気の総称
猫のおしっこ界隈の病気の総称のことを下部尿路疾患と言われますが、様々な病気があります。
猫は下部尿路疾患にかかりやすとされており、一度かかってしまうと、完治しても再発してしまう恐れもあります。
特に多いとされているのが、膀胱炎と尿路結石と言われています。
猫がなりやすい病気
猫は生態が原因となり下部尿路疾患になりやすいと言われています。
これは猫がかつて砂漠で生きていたということが関係しています。
また、メスよりもオスの方がかかりやすいとされています。
これも、メスとオスでは生殖器やホルモンが異なるために発症のリスクが違っているためです。
かかりやすいと言われている病気なので、予防法をしっかりとることと、毎日の猫の体調管理や行動を観察して小さな変化にも気付けるようにしておくことが重要です。
下部尿路疾患になりやすい猫のからだのしくみ
猫はかつて砂漠で生活していた動物のため、少ない水分を有効活用し、おしっこを濃縮するという機能を身に付けました。
水分を摂取しなくてもいいようにと身に付けた機能ですが、慢性的に水分不足が続いてしまうと、尿路の病気になりやすくなってしまいます。
現在は室内で飼われていることで運動量が落ち、水分を必要としないことも多くなっています。
基本的には喉が渇かないと水を飲まないので、運動量を上げるなどして、水分をしっかりとるようにさせましょう。
オスのほうがかかりやすい
オスとメスでは生殖器や性ホルモンが異なるため、病気のかかりやすさも変わってきます。
特に下部尿路疾患では、オスの方かかりやすいと言われています。
これは、オスの尿道が細く長くなっていて、カーブしている部分もあるためです。
かかりやすいだけでなく、重症化しやすいのもオスであると言われています。
しかし、オスがかかりやすいというだけで、メスがかからないというわけではありません。
下部尿路疾患は猫全体的にかかりやすい病気とされているため、メスにも注意が必要となります。
猫がかかりやすい下部尿路疾患とは
猫がかかりやすい下部尿路疾患ですが、特に多い疾患として、尿路結石と突発性膀胱炎があります。
ここではこの2つの疾患について説明していきます。
尿路結石
猫の尿路結石は、尿路に結石ができてしまう病気です。
尿路結石には種類がありますが、猫の場合にはストルバイト結石とシュウ酸カルシウム結石があります。
特発性膀胱炎
特発性膀胱炎は、原因がはっきりとしていませんが、膀胱に何らかの炎症が起こる病気です。
症状としては、おしっこの回数が増加する、おしっこの時に声を出して痛がる、トイレ以外でおしっこをしてしまうなどです。
どのようなときにかかりやすいのか
では、下部尿路疾患はどのような猫がどのようなときにかかりやすいとされているのでしょうか?
ストレス
猫にストレスがかかっているときは、下部尿路疾患にかかりやすいとされています。
環境の変化
猫は環境の変化に対して敏感な動物のため、環境が変わることでかかりやすいとされています。
運動不足
運動を行わないと喉が渇かないため、水を飲まなくなるのでかかりやすいとされています。
肥満
肥満型の猫は動くことがめんどくさくなっているのでかかりやすいとされています。
下部尿路疾患の予防法とは
下部尿路疾患は猫がかかりやすい病気のため、健康を考えることは予防法の一つとなります。
基本的な予防法をきちんと理解し、日々の猫の行動を観察するとともに、生活習慣を見直してみましょう。
食事回数は1日2回以上
猫の食事の回数は1日2回以上に分けて与えた方が良いと言われていますが、これは猫の体の構造が関係してきます。
なぜ1日2回に分けて与えるのでしょうか?
ここでは食事の回数について説明していきます。
一度にたくさん食べるとよくない理由
猫は食事を摂ると、食べたものを消化するため胃の中で胃酸が分泌されます。
この胃酸は、尿pHはマグネシウム由来の結石ができやすとされるアルカリ性が強くなっています。
その結果、ストルバイト結石ができやすくなってしまうのです。
多くの量の食事を食べてしまうと、その量を消化するために胃酸も多くの量分泌されます。
なので尿pHの影響も出てきてしまうのです。
なるべくこまめに与えて
上記で書いた理由から、猫の食事はこまめに与えた方が良いと思います。
1日2回、朝と夜が良いとされますが、時間があるときなどはもっとこまめに分けても良いです。
1日4回などに分けることで猫の体への負担を減らすことができます。
しかし、注意してもらいたいのは、1日の給餌量は変えずに、回数だけ増やすということです。
1回の食事の量を減らして、その子に合った給餌量を与えるようにしましょう。
ストレスの要因を減らす
ストレスが原因となって病気になってしまうこともあります。
生活環境や生活習慣を見直し、猫のストレスを少しでも軽減することで、病気の予防となるので、ストレスの要因を減らすようにしましょう。
隠れ家をつくる
猫は単独行動をする生き物のため、ひとりになれるような隠れ家を作ってあげる必要があります。
好きなおもちゃを与える
人間と同じで、猫も好きなおもちゃで遊ぶことでストレス発散に効果があります。
トイレはきれいに
猫はきれい好きな生き物なので、トイレをきれいに保つことでトイレの回数を増やすことができます。
いっしょに遊ぶ
飼い主と一緒に遊ぶことも猫は好むため、ストレスの発散になります。
肥満を予防する
肥満は生活習慣の乱れや食事と活動量のバランスが悪いことで起こります。
肥満を予防するということは、生活習慣病を予防することにもつながるため、肥満対策を取るようにしましょう。
運動する
運動を行うことで、肥満の解消やストレスの軽減にもつながります。
猫は上下運動が良いです。
高たんぱくで低カロリーな食事
高タンパク、低カロリーの食事は肥満の予防になり、腹持ちの良いフードを選ぶことで食べすぎになりません。
水分を摂取させる
下部尿路疾患は水分が不足してしまうことが原因となり引き起こることが多くなっています。
猫に水を多く飲んでもらえるように工夫しておくことで、水分を摂取させるようにしましょう。
飲み水は常に清潔に
猫は飲み水にこだわりがあるため、1日2回ほど水を交換し、きれいな状態を保ちましょう。
水飲み器にこだわる
流れる水に興味を示す猫が多いので、ファウンテンなどを使用し、水飲み器にもこだわりましょう。
ウエットフードを与える
ウエットフードは水分が含まれているので、食べることで水分を摂取することができます。
たまの休日はてづくりごはん
てづくりごはんでスープなどを作ることで自動的に水分を摂取することができます。
下部尿路疾患の食事管理
下部尿路疾患は一度発症してしまうと、習慣化してしまうことがあります。
普段から食事の管理は大事とされていますが、再発の防止のためにも食事管理を徹底するようにしてください。
食事回数は1日2回以上
猫の食事は1日2回以上に分けて与えた方が良いと上記でも書きましたが、一度発症した後も同じです。
一度にたくさん与えるのではなく、こまめに分けて食事を与えることで再発を防止することができます。
フードの量を見直す
給与量を見直し、少量を小分けにして与えることでドカ食いを防ぐことができます。
おやつの量にも気を付けてください。
再発防止のためにも少量を小分けに与える
再発の防止のためにも、一度にたくさん与えるのではなく、少量を小分けにして与えてください。
ミネラル控えめ
尿結石の原因となるものとして、マグネシウムとカルシウムがあります。
これらの含まれている量が少ないフードを選ぶことで、尿結石の予防につながります。
年齢などを考えてフードを切り替えるようにしましょう。
若いときはマグネシウム控えめ
若い猫はマグネシウムを摂取することで、尿中で結びつきストルバイト結石になりやすいと言われています。
もちろん体に必要な栄養素ではあるので、バランス良くマグネシウムの量を摂取できるようにしましょう。
お年を召したらカルシウム控えめ
7歳を過ぎた高齢の猫になると、カルシウムを摂取することで、シュウ酸カルシウム結石になりやすいと言われています。
カルシウムを控えることで予防となりますが、極端に少なくなると、骨の形成などが行えなくなるため、バランスよく摂取できるようにしましょう。
水分多めの食事
水分の摂取量が少ないとおしっこが濃くなり、これが原因となり結石が起こってしまうため、食事から水分を摂取できるようにしましょう。
猫は普段から水を飲まないため、食事から摂取することで水分不足を補うことができます。
ウエットフード
ウエットフードは食事から手軽に水分を摂取することができます。
てづくりごはん
てづくりごはんにすることで塩分量を控えてスープなどを作ることができます。
消化の良い食事をこころがける
消化の悪い食事にしてしまうと、体内の水分が糞の方に取られてしまい、下痢を起こす原因となります。
水分が糞に取られてしまうと、尿が濃くなってしまい、結石ができる原因となります。
これを防ぐためにも消化の良いフードを選ぶようにしましょう。
下部尿路疾患に配慮したフードとは
下部尿路疾患に配慮したフードはどのようなものがあるのでしょうか?
また、どのようなことが何のために配慮されているのでしょうか?
ここでは下部尿路疾患に配慮したフードについて説明していきます。
ミネラル成分の量を調整している
上記でも説明しましたが、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルは結石を作くる原因となってしまいます。
そのため、下部尿路疾患に配慮したフードはマグネシウムとカルシウムの成分量を調整しています。
尿のpHもコントロール
尿のpHがアルカリ性に傾いてしまうことで結石が起こりやすくなっています。
そのため、下部尿路疾患に配慮したフードはアルカリ性に傾かないよう、適切な弱酸性に保たれるようにバランスが調整されています。
理想的な体重維持のための適度なカロリー
体重が重くなり、肥満気味になってしまうと下部尿路疾患も起こりやすくなっています。
理想的な体重を維持することで下部尿路疾患の予防ができるため、必要な栄養素の量やカロリーの量が調整してあります。