猫は食物アレルギーを起こすことがあります。
ネットでよく見るのが穀物アレルギーですが、実際のアレルギーの原因は何なのでしょうか。
またアレルギーを持った猫に与える食事はどうしたらいいのか。
アレルギーが心配な飼い主さんのために、解説していきます。
アレルギー対応のキャットフード
アレルギー対応のキャットフード
猫の食物アレルギーの疑いがある場合でも、飼い主さんの素人判断で「アレルゲンとなっている食材」を決めつけるのは危険が大きいです。
「食物アレルギーかも」と思ったら、まずは受診して獣医師さんに相談することをおすすめします。
そして実際に食物アレルギーだった場合には、しっかり食事管理を行ってあげましょう。
ネットの情報に騙されないで!グレインフリー=アレルギー対策ではない
最近では、ネットでキャットフードについて調べるとアレルギーの猫にグレインフリーを勧めているサイトが多いので、見たことある飼い主さんも多いかと思います。
グレインフリーとは、穀物を一切含んでいないという意味です。
グレインフリーのフードは穀類アレルギーの猫なら有効ですが、肉や魚、豆などのアレルギーを持っている猫には全く意味がないのです。
穀類アレルギーの猫以外には特に食べさせるメリットはありませんし、原材料を制限されて作られたフードなので、一般的なフードに比べてデメリットも。
グレインフリー=アレルギー対策ではないということは理解しておきましょう。
そもそも猫の食物アレルギーとは
猫の食物アレルギーですが、人間のアレルギーと同じです。
食べ物の中に含まれている特定の成分に反応して、アレルギーが出てしまうというものです。
猫の消化しづらい食材を与えたときや、免疫力が低下しているときなどに出やすくなります。
猫の食物アレルギーの症状
- 下痢
- 嘔吐
- 腹部の張り
- かゆみ、かぶれ
- 発熱
- だるさ
- 脱毛
- 外耳炎
- 膿皮症
食物アレルギーになると、これらの症状が現れます。
下痢や嘔吐は飼い主さんも気づきやすい症状ですが、腹部の張りなどは見落とすことが多い症状になります。
他に皮膚炎を起こす場合がありますが、皮膚炎になると傷ができるまで引っ掻いてしまって、皮膚のかぶれから膿皮症になることも。
アレルギー症状が軽い場合は、フードの変更などで少し様子見するのが良いかもしれません。
しかし長く続く場合や悪化した場合には、すぐに動物病院で診察を受けましょう。
猫の食物アレルギーの原因
アレルギー症状を起こす物質のことを「アレルゲン」と言います。
このアレルゲンと接触することが原因で、アレルギー症状が引き起こされてしまうのです。
つまり猫の食物アレルギーは、同じキャットフードを食べ続けることで、アレルゲンを大量に摂取することが原因になっています。
アレルギーの原因食品
では具体的に猫のアレルゲンとなる食品はどんなものがあるのでしょうか。
キャットフードには肉がメインで使用されているものが多いですが、実は猫のアレルゲンはこの肉に多いのです。
キャットフードに使用されることの多い牛肉や魚肉、鶏肉、ラム肉などがアレルゲンの多い食材として報告されています。
また他には乳製品や卵、小麦・大麦などもあります。
猫の食物アレルギーはタンパク質が主な原因で、炭水化物はほとんど関与していないのです。
食物アレルギーの食事管理
食物アレルギーの症状が見られたら、フードを変えて様子見も良いですが、悪化する前に早めに動物病院での診察を受けたほうが良いです。
獣医師の診察を受けたら、食事について相談しましょう。
アレルゲンとなる食品を使用しない除去食を試し、アレルゲンの特定ができたらフードを切り替えるなどしましょう。
食物アレルギー治療中の注意
食物アレルギーですが、原因が特定出来たら治療に入ります。
この治療中に注意するポイントが2つあるので解説します。
おやつ、人の食べ物は与えない
食物アレルギーに対応して、タンパク質の種類を限定する療法食での治療を主に行います。
こうした治療をしているのにおやつや人の食べ物を与えると、タンパク質の種類が限定できなくなるので控えるのが賢明です。
療法食を勝手にやめない
また療法食を勝手にやめるのも厳禁です。
基本的に1度アレルゲンとなった食品は、生涯ずっとアレルゲンであり続けます。
そのため療法食は生涯ずっと続けなければいけません。
勝手にやめず、獣医師と相談しながら経過を観察するようにしましょう。
アレルギー対応のキャットフード
除去食やタンパク分解食など、猫の食物アレルギーに対応したキャットフードがあるので、それぞれ紹介します。
また手作りのフードもアレルギーに有効であると言えます。
除去食
除去食は、アレルゲンとなる食品を使用せずに作る食事のことです。
アレルギーの原因となっている食べ物(タンパク質)を、与えないことが重要になります。
今まで食べたことのないタンパク質を選ぶので新奇タンパクなどの珍しい食材が使用されることもあります。
その際には、できるだけ消化率の高い良質のタンパク質が与えられます。
除去食は療法食なので、除去食を与える場合は獣医師さんと相談しながら与えるようにしましょう。
タンパク分解食
除去食のほかにも、タンパク分解食というものもあります。
消化の良いタンパク質は体内で小さく消化・分解されていきます。
このため免疫システムが反応しないほど小さくなるので、アレルゲンとして体に認識されにくいのです。
手作りフード
また除去食やタンパク分解食だけでなく、手作りフードも食物アレルギーに有効です。
猫の年齢や体重、代謝などから必要なカロリーを計算して作るのが大切です。
猫が食べたことのないタンパク質を含んでいる食材を使用して作るようにしましょう。
羊の肉やダチョウの肉、ウサギの肉などが良いかもしれません。
手作りフードを与える場合は獣医師の管理下で、相談しつつ行うことをおすすめします。
まとめ
ネットでは穀類アレルギーやグレインフリーの情報が多く、他のアレルギーについてはあまり触れられていませんよね。
確かに穀類を持った猫にはグレインフリーのフードのほうがメリットはあると言えますが、穀類アレルギーではない猫に関しては過敏になる必要はないでしょう。
肉や乳製品などもアレルギーを起こす可能性のある食材ということを理解することが大切です。
アレルギーを起こした猫に与えるフードは獣医師と相談して選ぶことをおすすめします。